皆さんこんにちは。 見た目と名前は理系とよく間違えられますが、純粋な文系のライターげんです。
気軽に楽しく無料で学べるテレビの博物館があるとの情報を得て、今回は浜松市中区、
静岡大学浜松キャンパス内にある『高柳記念未来技術創造館』へ。
突然ですが、皆さんは浜松市出身の偉人、故・高柳健次郎氏をご存知ですか。
日本で一番最初に電子式テレビジョンの実験を成功させた「テレビの父」と呼ばれるスゴイ方なのです。
どれくらいスゴイのかというと・・・・・・。
今、私たちがテレビを見ていられるのも、この人のおかげなのです。
ありがとうございます。
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取材当日は雨が降っていたため、ちょっと写真が暗いですがお許しを!
早速、中へ入ります。
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私を迎えてくださったのは、ご自身もテレビジョンに関連する研究をされていたという、中西先生です。
とても気さくで笑顔が似合う方です。
さてさて、そんな先生に博物館内を案内していただきました。
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まだラジオ放送も人々に普及していなかった大正時代に、音声だけではなく映像も送ることができないか。
そのように考えた高柳氏は、テレビジョンの研究を始めます。
行った実験というのが、墨で書かれたカタカナの「イ」という字をブラウン管に映すというものでした。
大正15年12月25日、高柳氏はついに「イ」の画像を送ること、ブラウン管で受信することに成功しました。
電子式テレビジョンでは世界初の成功でした。
私たちが使用している携帯電話やパソコンの映像受信は高柳氏が発明した原理を応用発展させたものです。
今も変わらずにその技術は受け継がれています。
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「どうしてテレビに映像が映るのか」 皆さんも一度は考えたことがあるかと思います。
「テレビの箱の中にはこびとさんがいて・・・」子どもの頃、そう思っていませんでしたか?
この博物館に足を運べば、とても分かりやすく案内の方に説明してもらえます。
また、実際にテレビに関する体験コーナーもあるので子どもでもバッチリ楽しめますよ。
例えばこちら。
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中西先生が楽しそうにグルグル何かを回しています。これは高柳のテレビジョン実験を体験できる装置です。
説明を受けながら、実際に高柳氏がどのような実験を行ったのか体験することで、「へぇ、こうなってるんだ!」
と新たな驚きを感じることができます。
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見たこともないような古いテレビが並んでいます。
ちなみにテレビモニタに映っているのは、取材当時に放映されていた番組です。
歴史的に古いテレビで現在放映されている番組を見ることができるって、なんだかびっくりします。
昔のお茶の間では、こんな風にテレビに画像が映っていたのですね。
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上の写真は、それぞれの光(データ)を調整して、目的の色を画面に投影させる装置です。
テレビは撮像した画像の色を赤,緑,青の3原色に分けて電波で送り、受像機の中で元の色に戻してモニタに表示します。
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※3原色(RGB)について
RGB(またはRGBカラーモデル)は色の表現法の一種で、赤 (Red)、緑 (Green)、青 (Blue) の3つの原色を
混ぜて幅広い色を再現する加法混色の一種である。RGBは3原色の頭文字である。ブラウン管(CRT)や
液晶ディスプレイ(LCD)、デジタルカメラなどで画像再現に使われている。
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実際にその仕組みを体験することができるので、理解が深まります。
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テレビに用いられている技術を体験できるコーナーにはこんなものも。
上の写真は拡大顕微鏡。 中西先生が満面の笑みで指しているのは何の拡大映像だと思いますか?
答えは百円玉。 改めて見ると、百円玉の作りってすごく細かいのですね。
顕微鏡は百円玉だけでなく、色々な物を入れて拡大することができます。
小学生が来ると、色々な物を入れては皆で見てミクロの世界を楽しんでいるそうです。
また、テレビの他にも様々な科学技術を体験できる装置があります。
例えば下の装置。
「LED」って、よく聞きますよね。 でも実際にLEDってどんな特長があるのでしょうか?
これは手を当てて、従来のライトやLEDライトの発する熱の違いを体感できる装置です。(上写真)
従来のライトは壁越しでもすごく熱を感じるのですが、LEDライトはほとんど熱を感じません。
一階にはラウンジがありますので、ここでゆっくりすることができます。
「子ども達には実際に触れて楽しんで、面白いと感じて欲しい。 理科離れを減らしたい。」と中西先生。
「私の説明で理科離れしそうですけどね。」と笑う先生ですが、大変分かりやすい説明でした!
「高柳のテレビ開発がいかに偉大であったか分がかりますし、テレビに関するいくつかの体験もできます。
お子さんでも楽しむことができる博物館です。」と先生。
年に10校ほどの地元の小学校の生徒さん達が授業の一環で施設を見学しに来て下さるそうです。
「何か今の子どもに伝えたいことはありますか?」と質問すると、「目標を達成するためには『夢』を持って
努力すること。夢を持って頑張れば、どんな苦労も乗り越えられる。高柳みたいにね。」と真剣な眼差しで
答えてくださいました。
火・水・木はボランティアの方がいて、見学者に説明をしてくれます。
水曜日が中西先生の担当だそうですが、「呼んでもらえれば、いつでも駆けつけますよ。」と先生。
この取材を通して、テレビについて一つ賢くなったげんでした。
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※この記事は2013年4月に公開しました
『高柳記念未来技術創造館』
所在地 : 静岡県浜松市中区城北3丁目5-1
TEL : 053-478-1402
開館時間: 午前10時~午後4時
休館日 : 月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)、年末年始(およそ12月25日~1月7日)、
ゴールデンウィーク・お盆期間(展示入替調整、整備清掃期間) など
入館料 : 無料
URL : http://www.nvrc.rie.shizuoka.ac.jp/takayanagi/index.html